居住空間にありえない木があったとしたら
新築でもリフォームでも簡単に設置できるモルタル造形
家の中にクスノキを。まずはクスノキを知ることから始めました。とは言っても本物を見ながら造れば間違いないので本物のクスノキを隣に置きながら作業しました。写真はクスノキになる前の支柱です。実際の支柱をクスノキに見せました。
枝となる部分を作ります。枝はぶら下がっても大丈夫なようにするため、躯体に固定しました。ここから下地作りを何層にも重ねて作っていきます。今回は実際の支柱をクスノキに変えるので発泡スチロール下地で施工しました。ラス網を二重張り後、発泡ウレタンを詰め込みます。そのあと粉末カチオンで固め、樹脂モルタルを塗りファイバーメッシュを巻き付けて固定。その後カチオン樹脂で最後の下地を作り固めました。
カチオン樹脂が乾いたのを見計らい(夏場の完全硬化はおおよそ3日)まして、プレミックスモルタルに少し「あるもの」を混ぜて塗り付けます。(作るものによって材料の配合を変えております)加工された木とは違い、生きているように見せかけなければならないので、カービング(彫刻)にも少し変化をつけます。木は必ず下から生えているので上方に向行くにつれ木肌にも変化をつけます。リアルを追求するために日が当たる方向に木肌の変化をつけるためサッシの位置も気にしながらカービングを行います。
ある意味の「ホンモノ」を作るためには完全な計算に基づいていろいろな場面から見て感じなければなりません。それはいい意味で造形物だからこそできることです。それはつまり「見え方」です。和室・リビングルーム・キッチンの真ん中に作るクスノキをどの角度から見ても美しく、「生きている」ように見せる必要があります。桜塗装ではお客様にヒアリングした際、どこにソファを置き、どこの位置でくつろぎ、和室はどのように使用するかなど細かく聞かせて頂きます。モルタル造形という造形物を作るにあたりただ作るのではなく、お客様がどの角度から見ても楽しめる造形物を造ることに日々心掛けております。